生産性向上と業務効率化の勘違いについて。

生産性とは、「インプットに対してどれだけのアウトプットができたのか」という指標です。
そのため、より少ないインプット(資源)で、より多くのアウトプット(成果)を出すと「生産性が高い」ということになります。

一方で業務効率化とは、時間的・費用的なコストを下げ、リソース投入量を下げることを言います。
(学術記事から引用)


上記のように「生産性」「業務効率化」とありますが、生産性は現場仕事(例えば製造業)をイメージした用語、業務効率化はPCを使った事務仕事をイメージしますね。

昨今、残業代の減少のためという名目で、生産性向上と業務効率化を実現させようという言葉が独り歩きしておりますが、事務仕事に生産性を上記の定義のままあてはめるのは間違った解釈をすることになります。


ここで、簡単に数字を用いて書くと、
生産性向上:50投入して100の成果を得られていたのを、50投入して150の成果を出せるようにすること。
業務効率化:50投入して100の成果を得られていたのを、25投入して100の成果を出せるようにすること。

このようになります。

生産性向上は、「今までと同じインプットでより多くのアウトプットを」という視点なのに対し、
業務効率化は、「今までと同じアウトプットだったのをより少ないインプットで」という視点になります。
見るべき対象が、生産性向上と業務効率化では違うのです。
これ、感覚的に正しいですよね?


事務仕事につぎ込む資源は電気代と時間だけです。
仮に8時間でできていた仕事を2時間でできるようになったとします。
すると、6時間は余ります。
その6時間で別の「無駄じゃない仕事」をするのならば、業務効率も生産性も向上することになります。
でも、よくあるのが、「暇ならこのグラフでも作っといて。大して見られる機会はないけどね。」
これは、「無駄な仕事」です。効率化を成し遂げることができているのに、生産性は向上していませんね。
自分が工夫・努力して得た時間をドブに捨てているようなものです。
事務仕事に対して「生産性向上」を指標とするのはかなり間違っています。

実体験で考えると納得いくと思いますが、
「暇ならこのグラフ作っといて。今月から君の給与を5万円上げるから。」
なんてこと、ありますか?ありませんよね。
もしあったならあなたはその会社と上司を絶対に大切にしてくださいね。
日本の会社としては、奇跡に近い環境です。

日本の会社で、効率化させて時間が余って別の仕事をしても給与に反映されることはほぼ皆無です。99%ありえません。

(無駄か有益かに関係なく)

業務効率化 インセンティブ といった検索用語で検索すると、出るわ出るわ状態です。
一度検索してみてください。

これが現実である以上、まともに考えるなら、「無駄な仕事やっても給与にならないんだからやるだけ時間の無駄無駄。」ということになります。


つまり、「効率は良くして早く仕事を完了させ、良くしたこと・完了したことは黙っておき、仕事をしているフリをするのが一番得策」ということになります。
なんなら、喫煙しながらスマホでゲーム、10歩譲って勉強とかメルマガとかネット閲覧したほうがずっと自分に有益です。
ゲームを片付けておけば、家でできる仕事の時間をゲームで削らなくて済みますよね。

8時間の内2時間で終わったなら、「2時間で帰宅していいよ」とか、
「スマホやPCで遊んだり、それにも飽きたら勉強とかしてたら?工夫して早く終えて得た時間は君が自由に使う権利があるんだからさ」
なんていう上司や会社の方針があれば別ですけどね。
でも、これが本来人間として正しい認識です。時間で評価される「会社員」としては間違っていますけど。

でもたいていは「早いのはいいけど、間違ってるところあるんじゃないの?確認しろよ」とか、
「暇なら他の同僚の仕事手伝うとか、今後の仕事の計画立てるとか、やることあるでしょ。だらだらすんな」
みたいに言われて悪い印象を持たれてしまうのがオチですよね。
最初に立ち戻るなら、8時間かかるところを2時間で終えたのにですよ?
効率よく計画を立ててミスなく完了させたにもかかわらず、「暇なら?」といわれるくらいなら、終わったことは黙っておいた方がいい。

これがほとんどの日本の会社の現状です。
そして、日本の競争力が低下している大きな原因です。
誰しも、利益(=給与)にならないことはしたくない。


なので、事務仕事で生産性を上げるというのは、従業員にとっては無駄なことです。
だって、会社の評価指標は、「デスクに始業から終業まで座っていること」なんですから。

自分の時間は有限です。会社なんかに自分の時間を取られないよう、嘘も方便でしっかり守りましょう。
無駄な仕事より自分の趣味、したい勉強に充てる方がずっと得策です。

これはすべて、会社員として会社に属している場合の話です。
フリーランス、独立して自分自身で稼げるようになったら、会社の都合などに合わせる必要がなくなります。
空いた時間はしっかり自分の事に使い、もしくはさらに研鑽することができます。

会社員をやっていると考えられませんが、月収100万円を超える領域に入ると、いかに会社員というものが安定という名の不安定であるか、「生かさぬよう殺さぬよう」飼い殺しされているかに気づきます。

でも、会社があるから生活できるしPCも扱えるし食事もできるし旅行もできるし、日本経済が成り立っているのは事実です。

会社の存在は無駄というつもりは全くありませんが、
自分の時間を大切にしましょう。会社だけが稼ぐ手段じゃない」という事だけは
しっかり覚えておくべきです。

稼ぐ手段を確立させてある前提で、やりたいこと、突き詰めたいことに利益を度外視して取り組むといのは当然アリです。私もそれを実践しています。

それが、「会社に依存しないで自分の夢を追求する」ことですよね。「生きた証を残す」とでもいいますか。

国も学校も、従順な奴隷(≒会社員)を作ること、自分の考えを持たれない事を理念に教育方針、教育機関を決定・運営しています。

是非、日本を俯瞰するイメージを持ってくださいね。
気づきを得ること、今の状況は最善なのかということを常に考えることは非常にあなたに有益です。

 

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